個人WEBサイト文化研究所 主任私記 - このパラドックス、わかりますか

本日は2個質問に答えてみようと思います。

さて、原子はスカスカなのになぜ我々は物を掴むことが出来るのか?という質問です。これを知るには量子論を学ぶ必要があります。
量子の世界では、運動量(速度×質量)を知ろうとすると位置があやふやに、位置を知ろうとすれば運動量があやふやになるのです。逆に言うと位置を確定すると運動量があやふやになるのです。これが量子力学の根幹ともいえる不確定性原理であります(ハイゼンベルクの不確定性原理)。
原子は電子と原子核からなり、地球を電子、太陽を原子核と見立てた公転でイメージするとその大部分は空っぽのようですが実際にはその空っぽな場所に電子が量子的に存在しています。物を掴むと若干ながら指が縮まります。量子的にみると、原子の位置が縮まり位置が確定します。不確定性原理から位置が確定すると運動量の広がりが大きくなります。つまり原子同士の反発力が強まるわけです。だから、すり抜けないで物を掴むことが出来るのです。
ごちゃごちゃ書きましたが、きしだのはてな-不確定性原理 にすっきり書いてあります。僕も「ファインマン物理学」を読む 量子力学と相対論を中心としてを読みましたが、この本は量子論を知っていても新たなる発見が、知らなくても量子論に興味がもてるお奨めの一品です。

ちなみに、量子論では真空は何も存在しない状態ではなく常に電子と陽電子の対生成・対消滅している状態です(これを補正するのがくりこみ理論と言われるもの)。宇宙創生前も量子的にゆらいだ真空の状態だと考えられこれが宇宙のインフレーション理論です。