「右」と「左」の違いを言葉だけで説明することは可能でしょうか?

たとえば、あなたが無線を使って、どこにいるのかわからない宇宙人と会話をしているとします。互いに言葉は通じるのですが映像は見ることができません。そんな相手に対し「右手を上げてください」と指示して正しく右手を上げさせることはできるでしょうか?

※相手の文化習慣がわからないので、「お箸を持つ方の手」といった説明はできません。
※相手の体の構造がわからないので、「心臓のある方が左側」といった説明はできません。

できる限り、日常的な会話のレベルで説明してほしいと思います。原子レベルの粒子の振る舞いで説明するとかは不可ではありませんが避けてほしいです。
一応、相手が反物質世界の住人ではないと仮定しておきます。

宇宙人に右と左を伝えるオズマの問題といえば、図解雑学 左と右の科学 (図解雑学シリーズ)が一番分かりやすいのではないかと思います。

宇宙人に右と左を伝えるという事ですが、全ての宇宙人が我々のように、上下と前後の区別があり左右対称とは限りません。例えば、イソギンチャクのように点対称な生物だったら右と左という概念が生じそうにありません。というか、右手と左手すらないでしょう。さすがに、人類と会話が出来るレベルの宇宙人ですから、物理的、生物的観点から右と左の概念を持っているということを想定してみましょう。

ところで、もし「右」や「左」がなかったら―言語人類学への招待 (ドルフィン・ブックス)にも紹介されていますが、この地球上にすら右と左という概念を持たない部族がいます。彼らは東西南北の概念はありますが、まわりに目標物のない開けた場所に住んでいるので、道順などを説明する場合に右、左の概念が必要なかったということなのでしょう。言語的には、右と左をそのように決めた、つまり定義したので言語だけでは右と左は伝え切れません。当然、東西南北で北を向いた時の東が右と定めても、東西南北の概念が必要ですし、そもそも言語のみでは東西南北の方向を伝えることができません。
というわけで、言語のみで説明することは、共通概念が無い限り不可能といってよいでしょう。右と左を説明するには、宇宙で全く同じ振る舞いをするものを利用するのが良いでしょう。つまり、物理法則を用いるのがベストだと思います。一見すると回答もあるようにフレミング左手の法則が使えそうですが、磁場と電流の方向の定義が違えば使用できることは出来ません。そもそも、フレミング左手の法則が座標系をそのように決定した、つまり右と左を定義した上での法則なんです。当然ベクトルの外積も右と左を定義していて利用しているのでナンセンスです。
その他回答にある、コリオリの力も回転方向あっての力なので、先に右と左が定義されているのでダメ。宇宙人との絶対的な位置が分かっているなら星を基準として、というのは宇宙人とどれくらい離れているのかによる。電波を利用してる限りラグが生じるので近いなら問題ありませんが、遠いとその間に星が移動してしまっています。そもそも、星間距離も絶対的な基準が無く、相対的に求めるしかないので絶対的に正しいとはいえませんから。

ほぼ全ての物理法則は、左右の定義された座標系の上で表記されます。つまり、はじめから右と左を決めてるので、そこから右と左を決めるなんてナンセンスです。右と左を決めるためには、はじめから左右が非対称な現象を利用するしかありません。しかし、ほぼ全ての物理法則は対称です。なぜならば、左右が逆になっても何も困りませんからね。しかし、世の中には不思議なこともあるもので、左右が非対称な物理法則があります。それが、パリティの破れです。
というわけで、回答16にあるパリティの破れを利用した「ベータ崩壊時の左右非対称性から、電流を流しているコイルの中央付近に放射性コバルト原子核を置き、コイル内部での電子の動きが下向き(電流は上向き)になる方を手前に、上向きになる方を向こう側にして同じ実験を繰り返したとき、電子がより多く飛び出す側が“右側”」しかないと思われます。